昨年の夏から治らない肌荒れ

当院は開院してまだ4カ月ちょっとのクリニックなのですが、経過の長い頑固な肌荒れを主訴に受診される患者さんがとっても多いです。

• 半年以上よくならない
• もうどうしたらいいのかわからない
• 色々調べると「ニキビダニ」ではないか

この三点をおっしゃる患者さんが多く、持参されたお薬手帳とにらめっこしながら診療を行う場面が多いです。

写真の患者さんは、昨年の夏頃から続く顔の肌荒れで当院を受診されました。

診断はニキビダニざ瘡だったのですが、誤解のないようにお伝えしたいのですが、治らない肌荒れ＝ニキビダニざ瘡、といいたいわけではないんです。アレルギー性の皮膚炎もあれば、カビなど他の感染症、膠原病やレアな毛包炎など、いろいろございます。また、当然ですが、私が肌荒れの名医というわけではなく、ただの「後医は名医」ってやつです。

ニキビダニ　Demodex folliculorum、毛包虫ともいいます。
ヒトの毛穴や脂腺にいて、通常はなんの悪さもしないんですが、「増えて」しまうと、ニキビや酒さ（最近、酒さとの関連性をいわれています）の原因になるんです。

大人のなかなか治らないニキビ・肌荒れの場合には、当院では、顕微鏡検査をします。
ニキビダニによるものかどうかは、顕微鏡検査をすればわかりますし、むしろそれくらいしか診断する方法はないからです。

冒頭の写真の患者さんも、顕微鏡検査の結果、ニキビダニによる毛包虫性ざ瘡と診断し、治療を始めて3週間で改善しました。
長い間悩まれていて辛かったと思うのですが、初診から3週間後の再診でいらした際にはきれいにメイクもされていて明るい表情でしたので、私も安堵いたしました。

なかなか治らない、そんな場合は疑ってみましょう。検査してみましょう。
それが大事なのでしょうね。

当院でニキビダニざ瘡の診断で治療を行っている患者さんの一例です。みなさん、ご自身の写真が誰かの役にたつなら、と快くお写真の掲載を承諾下さいました。

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