蕁麻疹(じんましん)
数時間から一晩ほどで消える、赤くぷっくりしたみみずばれのような発疹ができる場合には蕁麻疹(じんましん)である可能性があります。経過を6週で分け、経過が6週以内の「急性蕁麻疹」は、風邪や胃腸炎などの感染症が契機になっていることが多く、6週以上の「慢性蕁麻疹」は原因不明の「特発性」である場合が多いといわれています。
疲れていて体にストレスがかかっているときは特に症状がでやすいですが、蕁麻疹には、アレルギー性、寒暖差やひっかく行為などの刺激でできるもの、食べ物と運動がきっかけで出るもの、いろんなタイプがあり、血液検査が推奨される場合もあります。治りにくい場合には、特殊なタイプの蕁麻疹も疑う必要があります。
どんな治療があるの?

蕁麻疹は湿疹とちがって、飲み薬で治療します。主に抗ヒスタミン薬というアレルギーを抑える薬を使います。経過の長い慢性蕁麻疹はすぐ治らず、年単位で治療が必要になることもあります。なかなか良くならないからといって治療をやめたり病院をコロコロ変えると余計に悪くなります。腰をすえて根気強く治療を続けることも大事です。
難治例には注射治療もあります

特発性の慢性蕁麻疹は罹患期間が1~5年にわたることもあり、長い期間、蕁麻疹に悩まされることは日常生活に大きなストレスがあります。内服薬だけでは難しい場合、注射剤のゾレア(オマリズマブ)も選択肢になります。

ゾレア(オマリズマブ)でもコントロールが難しい場合、デュピクセント(デュピルマブ)も選択肢になります。数か月使用すると7割程度の有効性が期待できるといわれています。特に長く悩まれている方は有効である可能性があります。
Pork-cat-syndrome

猫を長年飼育中の方に生じた顎~首周りの蕁麻疹。〇を食べたときに症状が特に出ることが後でわかりました。
血液検査をすると、ネコと豚肉の特異的IgEが上がっており、Pork-cat-syndromeであることが判明しました。

ネコと豚肉の血清アルブミンのとある物質が似ているため、交叉し、猫を長年飼育中の方が豚肉を食べたときに蕁麻疹がでる、というタイプです。猫との接触を避け、豚肉をよく加熱してから食べる必要があります。