ニキビについて
ニキビを医学用語では「尋常性ざ瘡」といいます。思春期ニキビだけでなく、最近では20代以降の大人ニキビで悩む方も増えています。思春期ニキビは皮脂分泌の多いTゾーンにできやすいのに対し、大人ニキビはフェイスラインや口元まわりにできやすく、女性だと生理前後で悪化するなど、ガンコな症状であることが多いです。
なお、通常タイプのニキビと同じ症状ですが、原因がニキビダニの増殖による「毛包虫性ざ瘡」というタイプがあります。なかなか治らないニキビの場合は、顕微鏡検査を行って、ニキビダニ（毛包虫）が増えていないか確認する必要があります。また、すごく痒い場合は「好酸球性膿疱性毛包炎」かもしれません。
ニキビに保険適応の薬はたくさんあります。特に塗り薬は種類が増えており、「毛穴つまりをとる薬」と「抗菌薬」に分かれます。飲み薬も、抗生物質や漢方薬が処方されます。
毛穴つまりをとる薬（ベピオ、ディフェリン、エピデュオなど）は刺激が人よっては強くでて毎日使えない方も多いです。また、嚢腫（cyst）タイプの硬いニキビには、ステロイドの局注も行われます。頑固なニキビの場合、処方薬では太刀打ちできないケースも多く、その場合はアゼライン酸クリーム、イソトレチノインやスピロノラクトンの内服を検討してもよいと思います。
毛穴の開きやニキビ跡に、ピコフラクショナルレーザーもご提案できます。
原宿駅前皮膚科のニキビ治療
当院では、原則まずは保険診療での治療を行いますが、すでに治療歴がある方や、保険処方薬で改善のない方、とにかく早く治したい方など、状況に応じて下記の自由診療の治療メニューをご提案いたします。
アゼライン酸
アゼライン酸は海外では昔からニキビや赤ら顔（酒さ）治療に使われており、炎症をおさえて赤みを改善させるだけでなく、メラニン生成を抑える作用もあるため色素沈着やくすみにも有効です。安全性が高く、妊娠中や授乳中にもご使用可能です。当院では、クリニック専売のアゼライン酸高濃度配合のAZAクリア（ロート製薬）を採用しております。
イソトレチノイン
ニキビを繰り返している方や、長年治らず肌に凹凸がでやすいなど重度な症状の方にはイソトレチノイン（当院採用の商品名：イソトロイン）が有効です。シコリができやすい方にも有効です。海外では保険適応の国もありますが、日本では自費になります。
皮脂分泌や角化異常といった根本的なところを治療する薬剤で、１クール数か月～半年を目標に継続することで、リバウンドを少なくし、コンディションのいい状態が続きやすいといわれています。なお、再発時には減量したり短期間にして再開することが多いです。
＜治療の注意点＞
血液検査：治療開始前と開始1か月後に行います（自費）
副作用；皮膚の乾燥や皮むけ、催奇形性、肝障害、高脂血症など
治療が行えない方；妊娠中・妊娠希望、授乳中、重度肝障害、12歳以下の小児
※テトラサイクリン系抗生剤とは併用しない。
※内服中と内服終了から1か月は避妊が必要です。
イソトレチノインについてのブログもご覧ください。
スピロノラクトン
大人女性の頑固なニキビに効果があります。男性ホルモンを抑える効果があるため、ホルモンバランスの乱れが原因で生じている場合に効果を発揮します。
【特に、こんな方にオススメ！】
毛深い方、保険治療では効果がない方、大人になってからニキビができるようになったor悪化した方、皮脂が多く顔がテカテカしている方、顎まわりに特に赤いニキビができやすく繰り返している方、背中や胸にもニキビができる方、にはスピロノラクトンがすすめられます。
こちらのページで詳しく解説しています！
ピコフラクショナル
ニキビ跡、毛穴づまり・毛穴の開きはピコフラクショナルが有効です。皮膚表面にダメージをあたえることなく、皮膚深層のコラーゲンやエラスチンといった成分を増加させ、肌の弾力を整えることで、毛穴の開きやニキビ跡を改善させます。ハリがでることで小じわにも有効です。
３～４週おきに３～５回程度をおすすめいたします。顔全体でなく、鼻だけに照射する等、気になる場所だけを照射することも可能です。
リスク：施術時・直後の痛みや赤み（数時間後より改善していきます）、腫れ、ほてり等
ダウンタイム；施術当日は日焼け止め程度の使用は可。翌日よりメイク可。
※従来のフラクショナルは皮膚表面に微細な穴をあけるため施術後にかさぶたができたり、施術時の痛みが強くありましたが、ピコフラクショナルはダウンタイム・痛みがだいぶ軽減されています。
※スピロノラクトンについて
・未承認医薬品等（異なる目的での使用）
医薬品医療機器等法上、スピロノラクトンはニキビ治療を目的とした使用については国内で承認されていません。
・入手経路等
当院で処方するスピロノクラトンは、国内医薬品販売代理店経由で購入した国産の製品です。
・国内の承認機器の有無
スピロノラクトンは国内で承認されていますが、承認されている効能・効果および用法・用量と当院における使用目的・方法は異なります。
・諸外国における安全性などに係る情報
副作用として乳房痛、生理不順、不正出血が報告されています。
※イソトレチノインについて
・未承認医薬品等（異なる目的での使用）
この治療で使用されるイソトレチノインは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。
・入手経路等
当院で使用しているイソトレチノインは、医師が個人輸入しています。個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらをご確認ください。イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらをご確認ください。
・国内の承認機器の有無
イソトレチノインは、国内においては承認されていません。
・諸外国における安全性などに係る情報
米国のFDA（食品医薬品局）など諸外国で承認されています。胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。
※ピコシュアについて
・未承認医薬品等（異なる目的での使用）
ピコシュアは医薬品医療機器等法において、太田母斑、異所性蒙古班の治療について承認されていますが、その他の治療については国内で承認されていません。
・入手経路等
米国サイノシュアー社より個人輸入しています。
・国内の承認機器の有無
国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。
・諸外国における安全性などに係る情報
米国FDAにて色素性病変（シミ・肝斑等）・しわ・にきび跡に関する承認を受けています。
