女性の大人ニキビや薄毛の治療に使われる『スピロノラクトン』というお薬。この薬、いったい何者で、なぜ効くのでしょう。そして、どのように飲むのが正解なのでしょう。最新の学術データを踏まえ、わかりやすく解説します!
1.スピロノラクトンとは?
スピロノラクトン(spironolantone)は、日本では昔から高血圧の治療薬として使われてきました。長期間使用することで女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があると報告されたことを皮切りに、男性ホルモンであるアンドロゲンの受容体をブロックする作用があることが後に判明しました。現在、この「抗アンドロゲン作用」を利用し、女性の大人ニキビ、女性の薄毛治療に応用されるようになりました。
※スピロノラクトンは、「アルダクトンA」という薬剤名のものもあります。
※男性には用いません。男性の薄毛(AGA)治療には、抗アンドロゲン作用のある「フィナステリド(プロペシア)」や「デュタステリド(ザガーロ)」が使われますし、男性の難治性ニキビには「イソトレチノイン」が使われますし、効果も高いです。
2.ニキビ治療での使い方
【UpToDateより抜粋】
女性の大人ニキビ、特に中等症~重症に該当する場合に、スピロノラクトンが選択肢になります。
特に、毛深い方、保険治療では効果がない方、大人になってからニキビができるようになったor悪化した方、皮脂が多く顔がテカテカしている方、顎まわりに特に赤いニキビができやすく繰り返している方、背中や胸にもニキビができる方、にはスピロノラクトンがすすめられます。
3.薄毛治療での使い方
【UpToDateより抜粋】
女性の薄毛治療の第一選択は、「ミノキシジルの塗り薬」です。効果が乏しいなどでほかの治療を加えるもしくは選ぶなら、飲み薬になりますが、その代表が「スピロノラクトン」です。海外の文献ベースのUpToDateには、男性AGA治療に使用される「フィナステリド」もアルゴリズムにかかれていますが、日本では女性に「禁忌」となっているため現実的には使いにくいように思います。なお、アルゴリズムでは、スピロノラクトンが無効だった場合は「ミノキシジルの内服」となっており、当院でも処方しています。
4.スピロノラクトンの副作用・リスク
スピロノラクトンの副作用には、月経不順、乳房の圧痛、軽度の胃腸症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢)、高カリウム血症、起立性低血圧、中枢神経系症状(頭痛、めまい、倦怠感)などがあります。
副作用(中枢神経系の症状を除く)は、用量が低いほど(1日あたり100 mg以下)発生頻度が低くなります。月経不順や乳房の圧痛などの副作用は、ピルを併用することで軽減できるといわれています。
5.はらひふでの処方用量と料金
当院でスピロノラクトンを処方する場合、効果・副作用の報告および欧米人にくらべて体型の小さな日本人女性へ使用することを考慮し、1日あたりの内服量を50㎎ベースにしています。症状・副作用状況に応じて調整します
【料金】スピロノラクトン25㎎錠 60錠(30日分):4,400円(税込)
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