多汗症とは?
緊張したり体温が上がると、人間の生理的な反応で誰しも汗をかきますが、「理由なく日常に支障をきたす程の大量の発汗を生じる状態」を多汗症といいます。多汗がみられる場所が全身の「全身性」と、手だけ、ワキだけ、など場所がどこかだけの「局所性」に分かれます。
原因がはっきりしない「原発性」は皮膚科で治療を行います。一方で、甲状腺疾患や糖異常症などの内分泌疾患、神経障害による無汗由来の代償性発汗などの病気、薬剤が原因の「続発性」の場合は原則、原因の治療を行う必要があります。
多汗症の治療
塗り薬は、ワキには「エクロックゲル」「ラピフォートワイフ」が、手には「アポハイドローション」のみが処方可能で、どれも抗コリン作用をもちます。保険適用外ですが、塩化アルミニウムローションも使われます。抗コリン作用をもつ外用薬は、頭や顔を含め全身には使えないため、飲み薬の「プロ・バンサイン」が処方されることもあります。
また、ボツリヌス療法(ボトックス)も、一部の製剤が日本では2012年から重度腋窩多汗症には保険適用となったものの、手や足、頭部については保険適用外です。ここ数年で多汗症の治療薬がどんどん増えました。小児で使用可能な薬剤もあります。悩まれている方は皮膚科へ相談してくださいね。制汗ボトックスについてはこちらをご覧ください。