くり返す痛いおでき

「化膿性汗腺炎」という病気をご存じですか？

私が皮膚科医になったころは「慢性膿皮症」とよばれていて、おしりやおまたなどの皮膚に繰り返し膿がでて孔があいたり、孔同士が皮膚の下でくっついてトンネル（瘻孔）を作り、膿がでるため痛いしニオイもするしで患者さんにとって大変しんどい疾患でした。

手術で膿がでている病変部を切除するのですが、広範囲切除は患者さんにとって負担が大きく、手術をしてもいたちごっこになったり。京都府立医大に勤務していたときに、カンファで「TNFα製剤がめっちゃ効くらしいで」と加藤先生がおっしゃっていて、なぜこの疾患にバイオ（生物学的製剤）が効くのだろう？と疑問でした。

2019年、生物学的製剤のアダリムマブが保険承認され、正式に使用できるようになりました。

病気の理解とともに有効性の高い治療が適応になり、長年悩んできた患者さんにとって（化膿性汗腺炎は、生活や仕事のQOLに直結します）本当によかったと思います。

どんな病気か、解説ページを作りました。ご覧くださいね。