小島よしおさんの「そんなの関係ねぇ」の海外バージョンは「It doesn’t matter!」なんだそうで、外国人相手にネタをやっている動画を娘とみていて、思い出しました。
医学部の4年生で基礎研究実習というのがありました。
病院の現場で学ぶ臨床実習(俗にいう、ポリクリ)に対して、基礎研究実習というのは生化学や法医学など基礎研究の教室で学ぶ実習のことです。
どうなってそうなったかは割愛しますが、私はニューヨークのコロンビア大学で実習することになりました。毛髪研究で有名な研究室に留学中だった皮膚科の下村先生(いまは山口大学の教授をされています)にお世話になることになったんです。
先生が所属していたラボに3ヶ月間通ったわけですが、当然そこはアメリカ屈指の有名大学の研究室。建物に入る際のセキュリティチェックがあり、IDカードが必要でした。
でも、私は正規の手続きをとった学生ではなかったため(訪問客のような扱い)、IDカードがなくて毎回セキュリティのおじさんに事情を説明し、「こんな子きてるけどほんまか」とラボの秘書さんにおじさんが問い合わせ、OKがでてようやくゲートをあけてもらえる、という流れでした。
毎度のことでしたし、英語力が鍛えられると思って、何も疑問に思うことなく私は受け入れていました。
ところがある日の朝。
同じラボのスペイン人研究者のアレックス(めちゃくちゃイケメン)が通りかかり、何やってんの?何で入らないの?ときかれました。事情を話すと、顔がカーっと赤くなって突如セキュリティのおっちゃんに怒りだし、ラボに入るや秘書室に突進、秘書のお姉さんたちにすごい剣幕で怒りぶちまけ、おそらくそのときお姉さんが「ユキコは正規の学生じゃないからカードは発行できないの」みたいに言ったと記憶していますが、それに対してアレックスが吐き捨てるように大声でいったのが「It doesn’t matter!!!!!」でした。小島よしおのネタとはテンションがまるで違います。
そしてアレックスは私にも指導的な何かを言ってくれたのですが、早くていまいち聞き取れなくて、ちゃんと自分で言わなきゃ、みたいな感じでした。
そのときの私は脳内お花畑で、アレックスのファンになってしまい、当時使っていた携帯のメールアドレスを「it doesnt matter」に変更したほどでした。
ラボ最終日、farewell partyをしてもらい、あのときの私はみんなが集まってケーキまで用意してくれた!と感激したのですが、米国ではフツーのことらしいですね。
なお、最後まで私にIDカードは発行されませんでした。最後の方は、セキュリティのおっちゃんも「ああ、またあんたね。」という具合で説明不要でゲートはあけてもらっていましたが。
小島よしおさんのネタをみて思い出した話、でした。
チャンチャン。