毛包虫性ざ瘡とは?
「ニキビダニ」嫌な響きですが、毛穴や皮脂腺に誰でも数匹はおりまして、通常は悪さをしません。ですが、不適切なスキンケアや、外用薬の誤用(特にステロイド系塗り薬の誤用が多いです)などで、ニキビダニ(毛包虫、demodex)の数が増えると、ニキビや皮膚炎を引き起こし、この場合のニキビを「毛包虫性ざ瘡」といいます。
通常のニキビ治療をしていてもなかなか治らない場合、顕微鏡検査を行って(皮膚科ですぐにできます)ニキビダニが増えていないか確認します。
増えているようなら、診断確定ですので、ニキビダニをやっつける治療を行います。
こちらの写真の方は、「1年半以上続く肌荒れ」で当院を受診された患者さんです。顕微鏡検査をしてニキビダニの増加が確認できたため、ニキビダニによる毛包虫性ざ瘡(ニキビダニざ瘡)と診断し治療したところ、4週間で改善しました。
ニキビダニの治療
何カ月もニキビが治らない、と受診された方でしたが、適切な治療を行えば、こんなにきれいにちゃんと治ります。治療には、イオウカンフルローションというイカツイ名前の外用薬と、テトラサイクリン系の内服薬を主に用います。
まとめ。ニキビがなかなか治らないと、コスメや皮膚科でもらった薬を片っ端からやってそれでも治らずどうしたらよいの、といった具合で患者さんは受診されます。落ち着いて、検査してみましょう。